赤坂城の特色
赤坂城は標高620mの所に在り、比高は、3、40mと思われる。赤坂城は代表的な館城(やかたじろ)で(白石氏の評価)、居住性と防御性を兼ね備えており、岡山県下でもめずらしい。山城から近世城郭へ進化する過渡期の城であると思われる。
大手側には四段の腰曲輪があり、登城口付近には五輪塔が三基あるが、これらは国道の拡張工事の際に道べりにあったものを移したもの。虎口は逆虎口になっているが、入り口付近には腰曲輪を備えて防御を厳しくしている。また、この曲輪は見張り台も兼ねていたと思われる。
主郭の広さは18m×32mで、約6畝(600㎡)もある。主郭の奥には約0.5mの土塁が築かれており、近くに城主の住居があったものと思われる(白石氏評)。その前面下に腰曲輪があり、真下の敵を直接攻撃できたものと思われる。城の斜面は切岸によって厳しく造られており、敵の主郭への侵入は容易ではない。搦手側には大きな堀切があり、敵の侵入を阻止できたものと思われる。堀切の北には寺院要塞の跡があり、大きな石を並べて敵の侵入の防波堤となったものと思われる。
さらに赤坂城の裏(北側)には間加部近江守によって近江の日吉神社から勧請された神社が、民の産土神として崇拝されると同時に、北の守りを固めていると思われる。(山本範)